名音楽、名映画、名小説、どのジャンルにおいても”名作”と呼ばれる作品が存在する。
その基準は人それぞれだけれども、私が重視しているのは長い間忘れられずに人々の記憶に残り続けていること。
これは言わば、時を超えた査読である。
Nature, Scienceより厳しいこの査読に耐えた作品こそが、名作の称号を得られるのである。
さて私はアニメがそれなりに好きなのですが、近頃はかつてのようにリアルタイムで新しい作品を追うことができず、研究室に配属された学生との距離を縮めようとアニメの話などを仕掛けてみるも全くついていけず消沈し、昔見た作品について懐古するばかりのモンスター教員と化してしまっている。
一方で、青春の時間を捧げたかつての作品たちも、初放送から10~20年経っており、その評価を再考するときが来たのではなかろうか?
当時、世間(の一部)で巻き起こったあの熱狂は過渡的なものだったのか、それとも今なお語り継がれる名作と化したのか、今一度考えていきたい。
評価基準はいたって簡単、私の完全主観である!
でもご安心いただきたい。個人的に好きな作品を並べることなく、なるべく(私から見た)世間の感覚となるべく一致するように努めた1。研究者としての矜持に誓って。
私が初めて見たガンダムシリーズである。いきなり主観丸出しなスタートになってしまったが構わず進めていく。
“ガンダムSEEDからXX年経過”と定期的に名前を見かけるたびに”そんなわけないだろッ!”と計算すると10年、15年経過しているなど、時の流れの残酷さを教えてくれる作品でもある。
私の感覚だと、まあせいぜい10年前くらいなのだが・・・。
古参のファンからは賛否両論だったこの作品、当時は”ファースト懐古おじさん達が騒いでるなw”と思っていた私だが、今では水星の魔女などに対して多少の複雑な思いを抱いており、かつてのSEEDキッズが懐古おじさんの仲間入りしかけていることに悲しみを覚えてしまう。
何はともあれ、結局現在に至るまで何かと話題に上がっており2024年には待望の映画化もあり、前後のシリーズ2と比較しても十分名作じゃないでしょうか。
完売することで有名な魔法少女作品。
続編が幾つか出ており、それらを含めて無印に代表させておく。
無印の最終話は、人生で初めてアニメを見て鳥肌が立ったことを今でも鮮明に覚えている。
魔法少女の元祖というわけでは決してないが、その内容やコミケへの長年の貢献を考えると名作の仲間入りをしてもよいでしょう。
現代に残した功績は大きいと思います。
深夜アニメが日の目を見る嚆矢となった作品ではなかろうか。
放送当時は中学生だった私は朝の読書の時間にこのラノベをブックカバーで表紙を隠しながら読んでいた、さながら隠れキリシタンのようであった。
が、放送終了後暫く経ってからじわじわと周りでもこの作品を知る人がひっそりと増えていき、遂に翌年には文化祭でEDのダンスを踊るグループが!
アングラな文化が身近な社会へ浸透したのを感じた瞬間だった。
本作を契機として、深夜アニメは一部のマニアな方々が楽しむものから、万人に受け入れられる娯楽へと変遷したと感じる。当然名作でございます。
お友達などから”何か面白いアニメ教えて”と言われたらいつも真っ先に挙げるやつ。
もはや説明不要、名作です。閉廷!
女子高生4人(+1人)が軽音楽活動を行う、タイトル通りの作品。原作は漫画である。
ちなみに私は一切見たことがない3。
それでも主要キャラの名前はわかるし曲も幾つかは口ずさめる。凄すぎないか、これ?
バンド系のアニメは数多あれど、結局長年にわたり語られ、君臨し続けているのはけいおん!だと誰もが認めるところでしょう、名作です。
いつか拝聴したいと思います。
でました、Steins; Gate。
その内容と面白さから攻殻機動隊と並んで理工系学生必修科目と呼ばれている。
2009年に発売したゲームが原作であり、この時点で傑作と名高かった。
ならアニメも良くて当然でしょと思いのあなた、そうはいかないのがアニメ化の恐ろしいところ4。
ところがこのアニメはほぼ完璧だった・・・、何か論じようものならすぐネタバレを書いてしまいそうで何も書けないのが歯痒い。
10年ちょい経過した今なお、その面白さは色褪せず輝いている。記憶をなくしてもう一度見たい作品ランキング、堂々の1位です、名作!
結局、ちょうド定番作品ばかり挙げてしまった。仕方ないね。
こう改めて並べてみると名作は内容は勿論として、名OP, EDが伴っていることも暗黙な条件とも感じる。
2010年代前半まで見渡せば、ラブライブ!あたりは当確でしょう。
最近は異世界転生系が流行っているようで、英語辞典にも”Isekai”の項目があるとか。
もう10年くらい経てばリゼロあたりがこの時代の中心として名作入りを果たすのか、個人的にはその枠にはゼロの使い魔を推したいですが。。
バンド系だとぼっち・ざ・ろっく!も無視できないと感じる。
この作品の評価が定まるのはまだまだ先になるが、けいおん!と双璧をなすことができるのか、今から楽しみである。
思い返せば、アニメを見始めたあの瞬間から、この記事を書く今日この日をずっと待っていたのかもしれない。
私がまだ小さい頃、名作アニメと言えば”エヴァ”が鉄板だったと思う。当然異論はないし、これがアニメなんだと思って育ってきた。
そんな中、テレビで名作アニメ特集!みたいな番組が流れると当然噛り付いて見るわけだが、上位にランクインするのはお涙頂戴な作品5ばかり・・・。
これでは大人が子供に見させたいアニメ特集だろッ!と毎度毎度憤慨したものである。
当時でもまあまあ市民権得てそうなジャンプ作品がランクインするのさえ珍しかったような気さえする。
いつからか殆どテレビを見なくなってしまったが、今でもこうした番組は放送されているのだろうか、一体どのような内容になっているのだろうか。
もう自身では現在流行っている作品を20年後に論じることはできないだろう、いつか誰かが論じてくれたものを消化するのが今から楽しみである。
なんなら私はスーパー天邪鬼なので、自分が真に好きな作品は自分だけ知っていたい・世間にバレてほしくないと思っているので、ここで積極的に並べることには少し抵抗がある。一方で、近くの友人などには積極的に布教してしまう癖があり、この自己矛盾には困ったものである。 ↩
私が1番好きなシリーズはOOである、ただし1期に限る。2期は1話,17話,そして最終話あたり。 ↩
ハルヒで深夜アニメが広く受け入れられるようになったことにより、私の中の天邪鬼精神が発動してしまった。当時は少しでもアニメ齧ったことある人なら誰もがけいおん!の話をしていたと思う。当然私は”絶対に見るもんかッ!”と意地を張り、今に至る。 ↩
アニメという媒体での限られたリソースの中で、原作のエッセンスを如何に抽出できるかが鍵なわけですが、この調整をミスって数多の作品が闇へと葬られている。原作ファンからしたら、もはやアニメ化は嬉しいものではなく、どちらかと言うと恐怖の対象とさえ思う。 ↩
こうした作品群も語り継がれているという点で名作の基準は満たしているのかもしれない、がなんか違う気がするのである ↩