私はクラシック音楽がとても大好きで、音楽を聴いてるときは大抵クラシックを聴いています。
テレビ番組など殆ど見ないため、流行りの曲などには小学生の頃から全くついていけていません。。
どんなジャンルでも同様と思いますが、音楽トークに花を咲かせていると”1番好きな曲って何?”という話題になりがち。
交響曲という縛りがあっても1つに絞り込むことは中々に難しいですが、自分の中で特に大切なのは以下の3つの交響曲。
まずはブラームスの交響曲第4番。
もう出だしから良い。
悲痛な切なさを伴うような第1主題から始まり、素朴だけど幻想的な第2楽章、そして明るく歓喜に満ちた3楽章。
そしてバッハの時代に回帰したかのようなパッサカリア形式の4楽章。
後期ロマン派らしいメロディアスな旋律を紡いでいくと思いきや、バロックの技法で締める。
それでもってブラームスらしさが溢れている、というか4楽章の出だしかっこよすぎ。
ブラームスの書いた4つの交響曲にはそれぞれ順番に春夏秋冬が当てはめられる気がするのは私だけでしょうか。
こう考えたとき4番は冬に相当するわけですが、冬は私の一番好きな季節。
己の好きなもの同士が、背後で本質的な何かにより繋がっているように感じさせられ、嬉しい気持ちになります。
次にシベリウスの交響曲第7番。
トロンボーンにソロが書かれた曲は幾つかありますが、中でもこの曲のソロは特別なものに感じます。
20世紀に入り交響曲のスタイルはどんどん変容していき、その到達点の1つは重厚な編成と内容を伴うマーラーの第9番でしょうか。
その対極に位置しながら、深遠な世界へ誘ってくれるのがシベリウスの第7番と感じています。
標準2管構成の25分程度の単一楽章のみの曲でありながらも、洗練された神秘的・哲学的な音楽。でもどこか北欧っぽさも感じる。
聴くたびに、自分はこういう曲が好きなんだなあとしみじみ感じる。
そして最後はカリンニコフの交響曲第1番。
“ブラームスやシベリウスはなんとなく聞いたことあるけど、カリンニコフってどなた?”
そう仰るのは無理もない、が、とりあえず1楽章だけでも聴いてから帰っていただきたい。
オススメ音源はスヴェトラーノフ指揮、ソビエト国立交響楽団(USSR State Symphony Orcehstra)の1975年録音です。
特別何か優れた音楽技法が駆使されているわけではないけど、この曲の聴きどころは何と言っても旋律。
ホルン、ビオラ、チェロの奏でる第2主題、こんな美しい旋律がこの世に存在するなんて、、人類の宝物です。
療養中に書いたとされるこの1番、けれど悲愴感よりも将来への明るい希望が溢れているように感じます。
カリンニコフは早逝してしまいますが、一体何を想ってこの曲を書いていたのか、思いを馳せざるを得ない。。
曲中で一番好きな箇所はやはり1楽章340小節目から370小節目にかけて第2主題が繰り返されるところ。
1stヴァイオリンがメロディに加わり、356小節目から更にオクターブ上がり、木管楽器を加えて最大の山場!
しかもここでトロンボーン(とファゴット)のアルペジオ的な名伴奏が添えられ・・・、涙。
2019年の京大オケの春演奏会ではこのカリ1がメインプログラムだったのですが、これが超絶名演。
1楽章終盤では客席では妙なざわつき(実際は静か)を感じつつ1楽章が終わると、拍手喝采!
誰かがミスって拍手してしまったとか、そういうのではなく、ただ単にあまりの素晴らしさに自然と拍手が。
それくらいの魅力を備えた一曲、ぜひ聴いていただきたい。2~4楽章も素敵です。