ぜひ読んでほしいと手渡されたこの本、とにかく分厚い!辞書かな?
まとまった時間ができたら気合い入れて読もう・・・と思っていたものの、少し読み始めると不思議とスラスラとページを捲ってしまった。
内容の面白さもさることながら、この本自体がなんか学術的にも価値があるんじゃないかという気さえしてくる。
だいぶ楽しく読むことができたので、もしかして自分はこういった未知の国の旅行記のようなものが好きなのかも?と思い、本屋さんでそういった本をパラパラと眺めてみるが、どれもあまり響かない。
ああ、自分は高野さんの書く文章が好きなんだなと思わせられる。
冒険譚のようなのに武勇伝的ではなく、俯瞰した視点で描かれている、そしてどこか儚さも感じさせられる、この筆致に惹かれて読んでいるんだなとしみじみ感じる。
この本では、立場や役割がわかりやすいように主要な登場人物には水滸伝の人物の名前が冠されている。
私はこの好漢たちの結末を知っており、本書の後半では思わず水滸伝の展開をつい重ね合わせてしまい、緊張感が高まった。
水滸伝を知っているからこそ感じるこの巧妙な展開は、読者の期待を巧みに操り、飽きさせることがない。
これも本書の隠れた魅力の1つと思う(考えすぎ?)。
山田隊長の幅広い知識、技能、きれいなイラストにも要注目!
しかし高野さんの本を読むと、そのご当地料理を食べたくなる。